不器用な彼女
詩織と尚美に気付き社長は目をまるくしている。

「いらっしゃい!今恭介の噂をしてたとこ」

「悪口じゃねーだろな? 余計な事言ってんなよ?
あ、カツミ、定食!」

なんて言って社長は詩織の隣に腰を下ろす。

「今日も二人一緒か。仲良しだな」なんて笑ってる。


機嫌が良さそう。でも少し疲れているようで、ちょっと髭も伸びてる。


「椎名さん、先日は失礼しました。私、何も聞いてなくて…先走ってしまって…本当恥ずかしい!
元はと言えば詩織が悪いんですけどね〜」


「その話はもうやめようよ〜」

尚美が滞在時間5分の時の話を振る。

「ビックリしたけど…結果オーライで良かったと思うよ? 結構笑える話だし」

社長は置かれたばかりの酢の物に箸をつけながらまた笑った。


「椎名さん…結果オーライって、本当に思ってますか?」


和やかな空気の中、尚美はいきなり爆弾を投下した。




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