不器用な彼女
「先輩、頬がこけちゃって…」

「ん、でも赤ちゃんは順調よ♪ でもまだ体調は万全じゃないから…もう少し落ち着いたら私の波乱万丈を聞いて貰える? 相手も紹介したいし♪」

一美は嬉しそうだ。


「あれ?社長は?」

「今日は現場直行してから出勤するって聞いてるけど」

「そうでした」

少しだけホッとする。


自分のデスクに置いてある社長の指示メモを確認し、パソコンを立ち上げた。


「詩織チャン、なんか良い事あった?女らしくなってない?」

「えっ?」

「何か雰囲気違う。服装かな?髪をアップにしてるから?なんか良いじゃん!!」

「えへ。ちょっと服装に気を使おうかなーと。。髪も伸び放題で邪魔だし…」

尚美コーディネートは流石だ。自分でもイケてる女と勘違いしそうになる。
“女らしくなった”って本当は社長に言って欲しかったのに。



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