不器用なフクロウ
第1羽
「お前とは本気じゃなかった、じゃあな」
消えていく後ろ姿。
何も言えずに涙を流すわたし。
まただ、
またわたし、遊ばれたんだ。
いくら手を伸ばしても、この手を誰も握り締めてはくれない。
ふと目を開けると、そこには天井が広がっていた。
「夢か、、、」
ついボソッとこぼれる独り言。
また同じ夢だ。
何度も繰り返しみる、誰かに捨てられる夢。
いつもは涙を流して目を覚ますのだけれど、今日はうっすらと涙が出ているくらいで溢れてはいなかった。
枕元にあるスマホで時間を確認すると、起きる予定時刻の2分前だった。
わたしは身体をゆっくり起こすと、あくびを一つして、乱れた髪の毛をかき上げた。
また今日もいつもと同じ一日が始まる。
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