空を見上げて
冷静に考えれば、私は至って普通の人間だ。
特別何かに秀でている訳ではなければ、特別何か劣る点がある訳でもない。
主人公になるには、困難を持ち合わせていないといけないと知った。
私がそんな困難に耐えられるはずもなく、呆気なく挫折。
それ以来、私は脇役に徹するようになった。
周りの人を引き立て、自分は黒子になる。
そうすることで、私は次第に満たされていった。
だけどある日、私はそんな自分を演じていることに疲れてしまった。
その時、初めて小説を書こうと思った。
それ以前も、なんちゃってではあるけれど、ノートに書いてみたりはしていた。
でも、その時はどうしようもなく、私は世の中に小説を出したくなったのだ。
ストレスが溜まっていたせいもあるかもしれない。
思いつくがままに言葉を並べていった。