二番目でいいなんて、本当は嘘。
「薫から話は聞いていたよ。昨日は大変だったみたいだね」
薫。
さっきもタクシーを降りたとき、桐生社長のことを下の名前で呼んでいた。
やはり引っかかるものを感じたけれど、とりあえずそのことには触れずに話を返す。
「大変というほどでもなかったです。それより、会議の資料はあれで大丈夫でした? 島本さん、ほぼ仕上げまで終わらせていたから、私のやることなんてほとんどなくて……」
「やだあ! 私のほうが年下なんだから、〝島本さん〟じゃなくて〝すず〟って呼んで!」
「は、はあ……」
そっちが年下なら、逆に私に対して敬語を使うべきなのでは、というツッコミは封印しておく。
薫。
さっきもタクシーを降りたとき、桐生社長のことを下の名前で呼んでいた。
やはり引っかかるものを感じたけれど、とりあえずそのことには触れずに話を返す。
「大変というほどでもなかったです。それより、会議の資料はあれで大丈夫でした? 島本さん、ほぼ仕上げまで終わらせていたから、私のやることなんてほとんどなくて……」
「やだあ! 私のほうが年下なんだから、〝島本さん〟じゃなくて〝すず〟って呼んで!」
「は、はあ……」
そっちが年下なら、逆に私に対して敬語を使うべきなのでは、というツッコミは封印しておく。