二番目でいいなんて、本当は嘘。

見知らぬ部屋

「おじいちゃんの家の天井って、こんなだったっけ……」

布団のなかで横を向いていて丸まっていた体を伸ばし、私は仰向けになる。

天井は真っ白な壁紙で、大きなシーリングライトが薄オレンジに光っている。
いつもよりも、天井が広く感じられた。


それに、いいにおいがする。

古い家はどこかほこり臭く、亡くなった家族のためにいつも線香が焚かれていた。
庭に植えてあるキンモクセイが花開いたのだろうか。
秋になると小さなオレンジ色の花をつけるキンモクセイは、開花時期には一斉に町のなかを甘い匂いでつつむ。
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