二番目でいいなんて、本当は嘘。
やがて待ち合わせたホームセンターに、桐生社長がやってきた。

一緒にいたのは、桐生社長の秘書のひとりだった。
会社の駐車場で仔猫を見つけた日、私を家まで送ってくれた運転手である。


「ああ、よかった。この子がまだ残っていて」

猪狩慎之介(いかりしんのすけ)と名乗った秘書は、あの日からずっと、仔猫のことを気にしていたという。
とくに、白い猫が欲しかったのだと言った。

「付き合ってる彼女に猫のことを話したら、一緒に飼いたいって言ってくれて。すぐに里親候補に名乗り出たんですけど……なかなかハードルが高くて」

そういうと、猪狩はちらりと桐生社長に視線を向けた。
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