二番目でいいなんて、本当は嘘。
「どうかかわいがってくださいね」

私がそう言うと、桐生社長は
「いいんですか?」
と私の顔をのぞき込んだ。

「いいもなにも、そこまでして猫を欲しがってくれる人なら、安心して引き渡すことができます」

「よろしくお願いします」
と笑顔で頭を下げると、猪狩は
「なんか、嫁をもらう気分だなあ」
と照れくさそうに笑った。
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