二番目でいいなんて、本当は嘘。
新しいケージに入れた仔猫を助手席に乗せ、猪狩は「じゃあ、また会社で」と言って手を振った。

私は空っぽになったケージを持ち、仔猫を乗せた車が去っていく姿を見送る。
今朝は4匹分の重みがあったはずなのに、バスケットはとても軽い。


心の奥から、どうしようもない淋しさが込み上げてきた。

私は透き通るような青空を見上げ、涙が流れそうになるのをこらえた。


出会いがあれば、かならず別れもやってくる。
仔猫と過ごした楽しかった時間は、宝物のように、ずっと心の奥にしまっておこう。

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