二番目でいいなんて、本当は嘘。
***

「おいで」

誘われて、私はバスローブ姿の桐生社長の胸に倒れ込む。
すぐに位置を入れ換えられ、体がベッドの上で弾んだ。

長い前髪のあいだから、細められた桐生社長の瞳がのぞく。
力強いまなざしには、欲望の炎が灯っていた。

私は右手を伸ばし、桐生社長の頬に触れた。
引き締まった肩の筋肉が、ぴくりと動く。
シャワーを浴びたあと、まだ半分濡れたままになっている髪が艶めかしい。

「めちゃくちゃに、してください」

すると桐生社長は、左手を私の手に重ねた。
そして顔をずらし、手のひらに口づけて言った。

「大切に、やさしく抱きます。時間をかけて、じっくりと」

その言葉の意味を理解し、体の芯がうずいてくる。
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