二番目でいいなんて、本当は嘘。
あの夜も、何度も絶頂を味わわされた。
丁寧に体のすみずみまで愛撫され、頭の中が麻痺するほど長い時間貫かれた。

高みに連れていかれては、さらに上まで引き上げられる。
「許して」と言っても解放してもらえず、貪られ、溺れさせられることが一晩中続いた。

なんて甘美な拷問なのだろう。


刹那の関係でもいい。
桐生社長の心も体も、独り占めできるなんて思っていない。

でも、今だけはそばにいてほしい。

愚かで可哀想な女だと思われてもいいから、あの日のように、すべてを忘れさせてほしかった。
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