二番目でいいなんて、本当は嘘。
「おやすみなさい。今日は楽しかったです」
その日の夜、私たちは夜景の見えるセンスのよいレストランで食事をした。
でも、そのあとは体を重ねることなく別れた。
薫さんに急な仕事が入ってしまい、会社まで戻らなくてはならなくなったらしい。
紳士らしく、薫さんは車で家まで送り届けてくれた。
それでデートは終わった。
「来週からアメリカに視察旅行に行くので、帰ってきたら連絡します」
「はい」
帰り際のキスは、いつもより少し冷たく感じられた。
でも、唇を離した私は、彼に向かってにっこり微笑む。
それでもいいのだ。
自分は2番目でいると、覚悟を決めたのだから。