二番目でいいなんて、本当は嘘。
仕事の相談にも乗ってくれる。

「わがままな子ですが、どうかすずの片腕となってサポートしてあげてください」

契約社員から正社員に登用されることになった私に、薫さんは言った。


桐生家の代表である薫さんの父親は、薫さんとは血のつながりがない。
けれど、苗字の違う島本すずとは血がつながっている。

そのせいか薫さんは、どこかすずに遠慮しているようなところがあった。

「サポートはできますけど、彼女が暴走しそうになったときは、薫さんが止めてくださいね」
「うーん、僕よりも猪狩のほうが適任のような……」
「ふふ」
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