二番目でいいなんて、本当は嘘。
「家族……」

目を閉じて、自分の気持ちと向きあう。
するとそこには、絶望ではなく希望があった。


薫さんは、私だけのものにはならない。
けれど、おなかの中のこの子だけは、私のものだ。

家族ができる。
そのことが、純粋な喜びに変わった。

産みたい。
子どもを守らなければならない。

自分ひとりで育てられるだろうか?
でも、くよくよ悩んでいる暇はない。リミットは、あと半年ほどだ。
< 185 / 250 >

この作品をシェア

pagetop