二番目でいいなんて、本当は嘘。

立ち止まってはいられない

***

「新しい事業についての企画を考えました」

私は二日後、オフィスに来ていた島本すずに、5枚ほどのレポートを手渡した。
それは、母子家庭世帯のためのテレワークについての企画書だった。

「ふーん、母子家庭ね」
「外に働きに行くことができない有能な人材って、けっこういると思うんです。それに、社会貢献にもなるし」
「それはそうだけど」

すずは書類に目を通し、ところどころにペンで印をつけた。
そして、「いいんじゃないの」と私に笑顔を向けた。
< 186 / 250 >

この作品をシェア

pagetop