二番目でいいなんて、本当は嘘。
「薫さん、ごめんなさい。二番目でいいなんて、本当は嘘です」
「え?」

戸惑ったように私の顔を覗き込む薫さんに向けて、私は必死で笑顔をつくった。

彼を傷つけることになるかもしれないけれど、これだけは言っておかなくてはならない。

私は彼の手をゆっくりとほどいた。
そして両手を膝に乗せ、テーブルに額をつけるように、深々と頭を下げた。

「ごめんなさい。私、愛人の立場でいるなんて、やっぱり嫌です。おじいちゃんも生前に言っていました。正々堂々と、正しく生きろと」
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