二番目でいいなんて、本当は嘘。
薫さんには婚約者がいる。
まだ籍は入れていないし、いつ結婚するかもわからないけれど、今私たちがこうして二人でいることも、きっと相手にとっては裏切りになるだろう。

天国の祖父は、そんな私を許してはくれない。

「それから私、大事な人ができたんです。恋をするのは薫さんだけだけど、たぶん、一番に愛するのはその人のことだと思う」

薫さんのことは好きだ。愛している。

だけどやっぱり私は、人生を共に歩める人と一緒にいたい。
その人に、心のすべてを捧げたい。
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