二番目でいいなんて、本当は嘘。

２軒隣にお邪魔すると、観光協会の清香（さやか）さんも来ていた。

「こんにちは、清香さん」
「こんにちは。もうだいぶお腹が大きくなってきたわね。今にも生まれそうじゃない」
「あはは。冬のあいだあまり運動しなかったので、体重がまずいことになってます」

清香さんは「あら、じゃあこのお土産はまずかったかしら」と言って、脇に置いてある紙袋に視線を向けた。

「かりんとう饅頭なんだけど」
「わあ！　食べたい！」
「あらあら」

清香さんは、ふふふと笑った。

「今年はとくに雪が多かったからね。でもそろそろ、散歩にはいいシーズンじゃない？」
「そうですね。お昼を食べたら、腹ごなしにこのあたりを散策してきます」
「なら、ついでに吉田のおばあちゃんの様子も見てきてくれる？」
「はい」