二番目でいいなんて、本当は嘘。
第6章

エピローグ

「痛い! もういや! なんで私ばっかりこんな思いをしなきゃいけないのっ!」

「未央、頑張って! あと少しだから!」


痛みが引いて、呼吸が楽になる。
薄目を開けると、泣きそうになりながら私の手を握っている薫さんの顔が見えた。

「男の人って、ずるいよ……」

12時間も陣痛に耐えている私は、汗を拭いてくれている薫さんに恨み節をこぼした。

すると薫さんは、
「そんなこと言ったって」
と困った顔をする。
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