二番目でいいなんて、本当は嘘。
家族が欲しくて仕方がなかったけれど、こんなにつらい思いをしながらみんな子供を産んでいるなんて知らなかった。

昔はお産で死ぬ人が多かったというのもうなずける。
いや、現代でも命がけだ。


するとそのとき、再び激しい波が襲ってきた。

「痛いぃぃーーーー!」
「桐生さん、あとひと頑張りですよ!」

薫さんの手を、強く握り返す。

陣痛が来ては引いていく。何時間もその繰り返しだった。
だが今度は、骨が軋む音が聞こえそうなくらい、強い痛みが走る。

「頭が見えてきましたよ! あと少し!」
「んんんーーーー!」
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