二番目でいいなんて、本当は嘘。

そのとき、なにかが体から抜けていく感覚と一緒に、甲高い産声が聞こえた。

「ほぎゃあ！」
「生まれましたよ！　元気な女の子です！」


生まれ……た……？


涙と汗とでぐしゃぐしゃの顔を上げて、生まれてきたわが子を見る。

赤い顔をしかめて泣く赤ん坊は、かわいいのか、そうでないのかわからないけれど、とても愛しくて早くこの手で抱きしめたくなった。



綺麗に体を拭いてもらった赤ちゃんが枕もとにやってきた。
胸の奥から熱い感情が込み上げてくる。

「薫さん……」

感極まって、顔を上げ、夫となった薫さんの顔を見る。
すると、薫さんも顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。