二番目でいいなんて、本当は嘘。
「ふう」

洗い物をしながら、私は小さくため息をつく。
こうして手を動かしていると気が休まるのは、貧乏性ゆえだろうか。
ただ、足もとがふわふわしていて、現実感があまりない。

社長は適当にくつろいでくれと言ったけれど、くつろぐなんて無理だ。
洗い物を済ませたら、さっさと家に帰ろう。



けれど……

私は逡巡する。

こんなに天気のいい日曜日は、誰もいない家にひとりでいるのが淋しい。
夕べ、ここに来てしまったのは、ひとりでいるのが耐えられないくらい心が弱っていたからだ。

恋人でもない人に体を許してしまうほど、私はいつになく弱っていた。
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