二番目でいいなんて、本当は嘘。
間仕切りの向こうで、キーボードを打つカタカタという音が聞こえる。
ふと、桐生社長が顔をあげ、こっちに向かって笑いかけた。

あの唇で愛の言葉をささやき、視線で私を愛撫した。
あの指で、私は一晩中とろかされたのだ。

夕べの行為を思い出し、体の芯が火照ってくる。

「もう、私ったら朝からなに考えてるのよ!」

やっぱり帰ろう。ここにいたら、絶対に理性が狂ってしまう。
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