二番目でいいなんて、本当は嘘。
後片付けを終えた私は、
「そろそろ帰りますね。お仕事の邪魔をしちゃいけないし」
と桐生社長に声をかけた。

「未央さんの荷物は、ベッドルームに置いてありますから」
「わかりました。ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げ、そそくさとリビングを出る。
私が扉を閉めたとき、社長は視線をパソコンに向けたままだった。
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