二番目でいいなんて、本当は嘘。
いずれは結婚するだろうと思いながら、一紗との関係は、そのまま3年続いた。

会社のみんなも、私と一紗を見守ってくれていた。
いい同僚を持っていたのだな、といまでも思う。


一紗は寮生活をしていて、私は地元を離れてアパート暮らし。
営業で帰りが遅くなることも多く、そんなとき一紗は私のアパートに泊まっていった。

「未央の味噌汁、最高!」
「実家、寿司屋だもん」

誰かと向かい合ってとる朝食は、私に幸せをもたらしてくれた。

「おじいさん、いま一人暮らしだったよな。いずれ挨拶にも行かなきゃな」
「うん。ありがと」
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