二番目でいいなんて、本当は嘘。
たしか彼女は、明日の会議で使う資料を作っていたはずだ。

「なんで? なんで~?」

彼女は半泣きでデータを探している。
だが、誰も手助けしようとしない。


ここへ来てまだ2週間だが、同じ場面を何度も目にした。

いつもすずのデスクには書類が山積みで、就業間際に悲鳴を上げ、ディレクターに眉をひそめられている。

けれど原因は明らかだ。
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