二番目でいいなんて、本当は嘘。
「どうしたんですか? この猫たち」

祖父の家のある下町ならともかく、ここは都会のオフィス街だ。
こんなところでも、野良猫はたくましく子供を産むというのだろうか。

すると、社長の代わりに答えたのは、まんまるい顔をした中年の警備員だ。

「桐生社長の駐車スペースに、仔猫の入ったダンボールが置かれていたそうなんですよ」

「車を停める前に、秘書が見つけて。轢いてしまわなくて、本当によかった」

偶然なのだろうか。
そうだとしたら、桐生社長に見つけてもらった仔猫たちは、ラッキーだ。
< 69 / 250 >

この作品をシェア

pagetop