二番目でいいなんて、本当は嘘。
「甘えついでに、そこの紙袋を開けてもらえますか」

桐生社長の視線の先には、ビジネスバッグと、デパートの店名が書かれた紙袋がある。
覗きこむと、お菓子と一緒にたくさんのお惣菜が入っていた。

「お土産です。知り合いに頼んで、適当に見繕ってもらいました。お口に合うといいのですが」

「ありがとうございます! じつは、とってもおなかがすいていて……」

これだけたくさんあるなら、明日のお弁当のおかずにもできる。
しかも、おいしいと評判のデパ地下のお惣菜だ。

私は、ありがたくお土産を頂戴することにした。
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