二番目でいいなんて、本当は嘘。
「その……お詫びというのは、川谷さんのことを、猫を捨てた犯人扱いしたことです」

「ああ、そのことですか。本心じゃないのはわかってますから」

たしかに猫を捨てたのが自分だと思われたことにはカチンときたが、ほかの社員たちは、きっとこんなふうに猫を溺愛する桐生社長の姿なんて見たことがないのだろう。

「ほんとうに、失礼なことを言ってしまって」

「いえいえ、気にしないでください。それにしても、誰が置いていったんでしょうねえ……」
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