二番目でいいなんて、本当は嘘。
古いけれどここは一軒家だし、ペットの飼育に問題はない。
私には、仔猫の世話をした経験もある。

けれど、大きな問題がひとつあった。

「この子たちはまだ小さいので、頻繁にミルクをあげなければなりません。私は契約社員だから、桐生社長よりも勤務時間は短いです。けれど、今日みたいに残業で遅くなることもあるので、この子たちだけで留守番をさせるのは不安です」

かといって、動物病院やペットホテルに預ける金銭的余裕なんかない。


「そうですね……」

桐生社長は、毛布の奥にいる仔猫たちに視線を向け、なにやら考え込む。
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