二番目でいいなんて、本当は嘘。
「川谷さんには、しばらく在宅での仕事をお願いしようかと思います。明日の午後、使いを寄越しますから、それまで自宅待機ということで。それなら大丈夫ですよね?」

「え、でもそれは……」

公私混同もいいところではないか。

「社長命令です」

口の端を緩め、シズクを甘やかす社長の「命令」なんて、仕事観のかけらもない。
でも正直、その提案はとてもありがたかった。

「わかりました。在宅でできる仕事、どんどん回してくれとディレクターに伝えておいてください」

「承知しました」

契約は成立だ。
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