元カレと再会した場合
_ここはザワザワとした、人が溢れかえっている駅前。
そこに一際目立つ男が立っていた。
「あっ、あの!私とお茶しませんか!?」
「いや!私と!!」
「いやいや!私、彼と映画館に行きたいのっ!」
そんな美形な彼に、さも当然かのように群がる女の子たち。
一言も喋らなかった彼が静かに口を開いた。
「うるせぇな」
彼の殺気のこもった声を聞き、ビクリと話しかけていた女の子たちが動かなくなった。
ザワザワしてた駅前が、一瞬シーンっとなった気がした。
それぐらい冷たい空気を発していた。
顔が整ってる彼が。
そんな中、大きい呑気な声が聞こえてきた。
「ごめんなさい!遅れまちた!!」
この場の空気に合わず、噛んで登場した1人の女の子。