元カレと再会した場合



いくらガタガタやってもドアは開かないし、無駄に体力減るだけだし…。





「座れよ、結愛」



偉そうに言ってくる莉斗に、思わず出るため息。

「……はぁ」



仕方なく、すぐそこにあった椅子に座った。






なるべく莉斗と距離をとって。





この、ひとクラス分の空き教室で2人、不自然にあけた距離。






それに莉斗が疑問を持ったみたいでこっちを見ながら口を開いた。



「なんでそんなに遠いんだよ?」





そう言った莉斗に、即答で私はこう答えた。



「近寄りたくないから」





こんな言葉、莉斗は女の子に言われたことないだろう。





莉斗がどんな顔してるか見てないからわかんないけど、落ち込んでるに違いない!



はっはっはっー!もっと落ち込め、ドS野郎!!






勝手に、莉斗に勝った気でいるとこっちに向かってくる足音が後ろから聞こえた。

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