元カレと再会した場合


「結愛、あんま調子乗ってっとお仕置きしちゃうけど?」




そう言って私の耳元でわざとらしく、ふっと息をはき色気ムンムンで言ってきた。



「っ…!」




声にならない叫び声をあげ、真っ赤になった耳を手ですぐ塞ぐ。




「耳弱いの変わってないんだな。」



ふっと笑いながら言った莉斗は、相変わらず大学生では到底出せないような色気が溢れ出していた。





…ていうか私流されちゃってるけど、こいつは昨日最悪な再会を果たして会いたくない、気まずい元カレのはずなのに……なんで普通に話しちゃってんの!?私!!




「…なんで元カレとまた一緒にいるんだろ……」





小さくぽつりとこぼした言葉は莉斗には聞こえてないと思ったのに、



「ドアが壊れたからだろ」




と、今の状況“だけ”を淡々と話した。
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