元カレと再会した場合
ここからはカーテンが閉まっていてなにも見えないのに、そう思った。
ここに来て私は何がしたかったんだろう?
とても深い…苦しい気持ちが溢れ出してくる。
莉斗とのことは、もう過去のこととして終わったのだ…と思っている。
それは莉斗と別れてから揺るぎない事実。
もう異性として好きじゃない、愛してはないけれど…そういうんじゃなくて莉斗の瞳の奥を見ると苦しくなる。
一昨日見た瞳は、別れた時と同じ瞳をしていた。
「莉斗…っ、愛してる」
愛しい人に言う声で、言葉で言った莉斗の下にいるであろう一昨日と違う女の人。
「……俺もだよ」
聞こえた声はいつもと違う莉斗の声でとても冷たく感じた。