元カレと再会した場合

「颯ー!もうやめなさい!!」




叫んで言った私に気づかない颯は目もくれず、殴り続ける。



「…すぐ我を忘れちゃう単細胞バカが。」




思わず小声で言ったのにも関わらず、ギロリと颯が私を睨みつけてきた。



「あ?」




ヒィッ!女の私に向ける目じゃないよ!?


てかなんで大声で言ったのは聞いてなかったのに、小声で言ったのは聞こえたの!?



地獄耳!!





「乙女に向ける目じゃない!!」


思わず突っ込んでしまった私。




「はっ、乙女?どこにいんだよ。そんなの」





はっ、と鼻で笑いやがった颯にムカつく。



さっきまで別人のように殴り続けていた颯は私にやっと気づいたようだ。






「つーか…」



ドサッとその場で偉そうに座りながら私に向かって言った。





「なんでてめーがここにいんだよ!?」



「このバカ野郎!あんたの日頃の行いのせいで私が召喚されたんだよ!!」






と、ここで冒頭に戻るわけだ。


< 74 / 131 >

この作品をシェア

pagetop