元カレと再会した場合

姉弟です!と大声で言いたい衝動をなんとか堪え、早歩きくらいの速度で歩く。





急に早歩きしだした私を怪訝な顔をして見てくる颯は、背が高いから足が長いので早歩きしてる私にすぐ追いついた。




…私が足が短いわけじゃないよね。



うん、そうだよね。



颯が足が長いすぎるだけで。




必死に苦しい言い訳を心の中で言っていると、いつのまにか家の前まで来ていた。






「あ、」





考え事してるうちに着いちゃってた。




意味もなく少し立ち止まっていた私を置いてスタスタと、なっがい足で家に入っていった颯。







「はぁー、…本当に大きくなったな」





大きくなったのだと再認識させられた、弟の背中を思い出しながら呟いた。




ババクセーってまた言われちゃうかな。





なんて思いながら、私も家に入った。


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