元カレと再会した場合

…無理だけどね。



そんな度胸、私は持ち合わせておりません。





リビングに突っ立ってるだけだった私は、自分の部屋に向かおうとリビングのドアを開いた。




「なんかあったの?」



お母さんに声をかけられて、リビングを出ようとした足が止まった。




「んー?なんもなかったけど?」






やっぱりお母さんは…最強だ。





なんでもわかっちゃうんだから。







私、暗い顔した素ぶりなんてしてなかったはずなのになぁ…。






お母さんが心配そうな顔をして私を見ていたから、もう一度「なんもないよ」と言ってニコリと笑って見せて今度こそリビングを出た。


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