元カレと再会した場合
パタンと部屋のドアを閉めた。
1ヶ月しかしてない一人暮らしを始めてから、何度か実家に泊まってるけど私の部屋は何も変わってない。
物置部屋なんかにされてないだろうか…と心配になっていたが18年間私の部屋だった部屋は、なんら今まで通り変わってなかった。
いつ見ても綺麗だから、お母さんが定期的に掃除してくれてるんだと一目でわかる。
やっぱりお母さんにはいろんな意味で頭が上がらない。
…そんな、変わってない部屋を見るといつでも帰ってきていいんだよと言われてるようで嬉しくなる。
颯もなんだかんだ言って、私が突然帰ってきても何も文句は言わない。
あ、でも私の部屋の隣は颯の部屋だから、あまりうるさくできない。
…うるさくしてると壁をドンっと叩いてくるからね。
これが噂の壁ドンってやつ?
…しょうもないことを考えながらベッドにダイブした。
ギシッとベッドの軋む音がして…なぜか空き教室で見てしまった、莉斗と女の先輩が…やっていた行為を思い出してしまった。
ベッドが少しでも軋むたびに、あの光景を思い出したくなんかないのに…思い出してしまう。
聞いたことなかった莉斗の甘い声。
莉斗は楽しんでいた、あの行為を。確実に。
でも、…悲しそうな瞳をしていた気がした。
なんでそう感じたのかは、わからないけど。