明治、禁じられた恋の行方

「八神、お前、大当たりだぜ」


そう言うと、飯田は出されたお茶をぐいと飲み、思ったよりも熱すぎたのか、アチ!と舌を突き出している。


「阿片か?」


ほぼ確定だ、

そう言い、飯田は説明する。


近衛家は数年前からやり取りをしていた西洋商人から阿片の商売を勧められ、当初は医療用として売買していたそうだ。
そこで止めておけば良かったものを、味をしめちまったんだろうな。
だが、気付けばその量は甚大な量となり、輸入するための隠れ蓑が必要になった。


その隠れ蓑となっていたのが、千歳さんの父上が購入した西洋品や、その他、お取り潰しになった家が購入した商品だったみてぇだ。


実際に運搬に関わった奴らも金を掴まされてて、
口割らせんのに、結構かかっちまった・・・



「お前に請求すっからな!」


はいはい、と志恩は笑い、
隣で千歳は焦ったように、いくら、と聞いている。


「お前は気にするな」


でも、と口を噤む千歳を、愛おしそうに見つめる、目。

その姿を見て、飯田はまた口をぽかんと開ける。


「八神、お前・・・デレッデレ・・・」


ガンッ!と拳がぶつかる音とイテ!という声がまた響いた。
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