明治、禁じられた恋の行方
飯田は、情報を公開することさえ無ければ、身の安全は守られていると言い、翌日には自宅へ帰っていった。
「本当に、大丈夫なんですか・・・」
心配そうに千歳が聞く。
また、同じことになったら・・・と口を噤む。
飯田は満面の笑顔を浮かべ、言った。
「だーいじょうぶですって!こんなこと、日常茶飯事です!」
記者舐めてもらっちゃ困りますよ!
安心させようとしてくれているのだろう、
笑顔を浮かべるたびに傷口に触り、「イテ!」と言う飯田の表情は痛々しい。
その覚悟と度胸に、千歳は改めて深く頭を下げた。