かくれんぼ、かくれっこ。
彼と仲が良かった男の子に連絡先を聞いて、彼とは連絡を取り合っていた。

だからこっちに戻ってくることも、自分たちが受けた高校に入ってくることも知っていた。

というか、私が教えた。

その時だったの、彼がヒナちゃんのことを忘れていること。

昔のように笑っているように見えていたけれど、私だけ違和感を覚えた。

ヒナちゃんに向けていた笑顔の方が彼は眩しかったから。

でも、このまま初めましてから始める2人に私は心が痛くなった。

どうして、あんなに仲が良かったのに。

あんなにも笑い合っていたのに。

悔しかった、悲しかった、寂しかった。

それでもいいと言ったヒナちゃんを見守ることしかできなかった。

そんな気持ちが嫌になってきた時、彼から電話があった。

嬉しく思って舞い上がった。

また昔に戻れる気がして。

だから私は協力することにした。

自分の彼への気持ちはいつしか消えていた。

今は彼を応援することに尽くす。

そう、決めたんだ。
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