かくれんぼ、かくれっこ。
皆と彼に合わせる顔がなく、学校以外は家に閉じこもるようになった。

学校でも彼とは話していない。

「堪太君が心配してたわよ?」

「うるさい」

自分が悪いのは分かってる。

でも、やり場のない気持ちを親に八つ当たりしてた。

話さなくなって数年。

中学に上がると同時に、彼はどこかに引っ越して行った。

見送りも出来ない臆病な自分。

ずっと、あの事が気にかかって前に進めない。

私は高校生になった今も、幼い姿のまま公園のベンチに座っている。
< 5 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop