いってらっしゃい
今日はお母さんの命日。
何となくお父さんと顔を合わせたくなかった。
お母さんとの思い出だけを浮かべたかった。
私は2階の自分の部屋に上がった。
ベットにダイブしてまたため息。
「はぁ……」
お母さん……。
なんで私を置いて行っちゃったの?
連れて行ってくれても良かったじゃない。
なんで、なんでひとりで……。
そんなことを考えているうちに眠りに入った。
久しぶりに夢を見た。
それは、小さい頃の私とお母さん。
『ねぇママ』
『なぁに?』
『ママはどうしてパパとけっこんしたの?パパのどこがすきなの?』
『そうねぇ…。あなたは、パパのことが嫌い?』
『……うん』
『どうして?』