2570 ー男子高校生とOLー
その説明以降、五月くんは口をつぐんだ
何考えてんだろ、グロテスクだし同情しているのかもしれないな
「私そんなに気にしてないよ。普段生活して、人から見える場所でもないし」
なんでこっちが気を遣ってるんだろう
まぁ本当に気にしてないんだけど
「はー」
もう、いっか
私は諦めて丸めた背中を差し出した
「どうぞ気が済むまで火傷跡見て下さい。目に毒ですが」
「ありがとうございます」
謎の申し出に素直に礼を言った彼は、傷跡にそっと口付ける
!?!?!?
唇の柔らかい感触と、細くて柔らかい髪が背中に落ちて、私は思い切り目を見開いた
なに!?
そっと添えられた指の温度と
背中で感じる息遣いがくすぐったい
「気が済むまで見ろって言って、ちゅーしろとは言ってないけど!?!?」
この慌て様とは裏腹に、五月くんは冷静に唇を離す
振り向いている私と目が合うと、じっと見つめられた
私絶対に今、顔赤いんだけど!!
無理!!!!!
あまりの恥ずかしさに両手で顔を覆う
「ドキってしてくれたんですか」
五月くんはどうやら
とても満足した様子で
「また来ます。ゆっくりしていてください」
最後に背後から軽く抱きしめた後
部屋を出て行った