2570 ー男子高校生とOLー
ははは、
自虐する様な笑いに僕は真顔で質問する
「火野くんってさ......どれくらい早苗さんに本気なの?」
怖いもの聞きたさに
つい
禁断の質問をしてしまった
「どれくらいと思う」
質問に質問を返され返答に詰まる
なんて言おうか迷ってこう答えた
「結婚したいくらい?」
彼は小さく笑みを浮かべて頷いた
「そうだけど、そんな可愛いのじゃなくてさ」
「うん」
「もし早苗さんが別の人と結婚しても、諦めない」
「怖いよ」
「よな」
本気って
「狂気じゃん......」
火野くんは笑う
愛、狂気、覚悟、執念、自嘲
その表情から、いろいろな感情が読み取れて
本当は『火野五月』と言う人物に畏怖の念さえ抱いていた
けれどそんな彼が
とても不器用で優しくも見えた
なんでこんなに切ない笑い方をするんだろう
何が彼をそうさせたのか
心の中がぐちゃぐちゃだ
自分の早苗さんに対する気持ちなんて
ちっぽけで軽く見えるほどに