2570 ー男子高校生とOLー
ですよね!?
「はい、そこまで!じゃあ1時まで一旦休憩ね」
昼12時
午前の練習が終わってマネージャーから声がかかると、選手たちはそれぞれの練習を終えて昼食を取り始める
ここ東淵ノ宮高校のバスケ部はいわゆる強豪で練習もハード
そんな部活に所属してはや一年
仮入部といえど新しく後輩が入り先輩となった火野五月も、徐々に走るペースを落としつつリストバンドで顎から垂れる汗を拭った
「おつかれ火野。今日の練習、君なんかいつもと違くなかった?」
少し息を上げながらそう話しかけてきたのは、チームメイトでありながら同じクラスにも所属する木田だ
「.....え?」
「まさかお前までマネージャー候補の新入生の前でカッコつけ始めちゃったなんて言わないよね」
小柄な体型と中性的なベビーフェイスに似合わず毒を吐いた彼は、言いながら周りをぐるっと見渡して呆れたようにため息をついた
一旦練習を終えたチームメイトたちは、仮入部の新入生と談笑したり、見学の女子生徒の前でそわそわしたりしている
「あいつら、女子にいいとこ見せようと必死で、いつもの基礎練じゃやんないような技までやりだすから見てて痛いよ」
そういえば今日は休日にもかかわらず、学校指定のジャージを着た女子生徒が10人程この体育館に来ている
自分は特に彼女たちを意識して練習していたわけではなかったが、ほぼ毎日休みなしで練習があるこのバスケ部に、いったい何人のマネージャーが新しく入ってくれるのかは気になった