2570 ー男子高校生とOLー
「あ、じゃあその生ハムのお皿取ってもらっていいですか?」
「これですか。いいですよ、よそいますよ」
この合コン、上手くやり過ごす.....!
私は男性に手を差し出して皿を要求する
彼は「ありがとう」とこちらに皿を寄越し、私は女子の真似事のごとく数枚の生ハムを丁寧にプレートに盛り付けてやった
こいつ名前何!!!
私としたことが早速彼の名前を聞き逃していたことに気がつく
興味がなさすぎていつ言ってたかも思い出せない
「加納さんはなんのお仕事されてるんですか?」
「.....あ、えーーっと出版社ですねー」
ワンテンポ遅れて答えると、彼はこちらをまじまじと見つめてきた
思わず二度見してしまう
私何かした?
「えーすごぉい!銀行員なんですかぁ?」
「私も旅行好きです〜!偶然ですねっ」
「趣味は料理と映画見ることです!」
まわりで女子らしい台詞が飛び交う中、彼はフフッと小さく笑い声を漏らした
一瞬
あまりにも気の利いたことが言えない自分を笑っているのかもしれないと思うが、そうではないことに気がつく
「加納さんって、飾らなくて素直ですごく素敵ですね」
そんな言葉をかけられて、私はハッと顔を上げて男性の顔を見た