2570 ー男子高校生とOLー
「そ、そんなに食べたかったの?」
「はい。だいぶ楽しみにしてたんですけど、運悪く食べられなくて」
そこから彼はかくかくしかじかと食べられなかった理由を説明してくれた
私はその頃にはすっかり弁当を抱える腕を緩めて
「やっぱり五月くん、すごく女子に人気があるのね」
と感嘆の声を漏らす
「いや......まぁそういうわけなので、コレはもらいます」
五月はヒョイと弁当を持ち上げると、ランチバッグから中身を取り出した
私はその様子を見ながら微笑む
「誤解は解けだわけだし夕飯を今作ってもいいのよ。理由はどうであれ、それ朝作ったやつだから傷んでたらマズイし、無理に食べる必要はないから」
気にしないでと軽く言うが、彼は首を振り譲らない
「中身は見ました。すごく美味しそうだったから、コレが食べたい」
「そうなの?ありがとう。傷んでるっぽい部分があったら食べないでね。あと電子レンジ使っていいから」
「はい」
「じゃあ私はシャワー浴びてくるから、ゆっくり食べてて」
やっぱり朝、お弁当を作ってよかった
私はそう思いながらリビングに彼を残し浴室へと向かった