2570 ー男子高校生とOLー
なんだ?
なんかテンション低くないか?
もしかしてお弁当、本当は不味かったのに
気を遣って美味しいと言わせてしまったとか......?
五月はソファの上で腰を丸くして、面白くもないテレビをぼーっと眺めている
「あ、足りた?」
「.......えっ?」
質問からワンテンポ遅れてこちらに顔を向ける彼の表情に
そういう訳ではなかったみたいだな......
と心の中で結論づけるも、一応思ったことを口に出す
「もしかして、お弁当だけじゃ少なかったかなって」
「そんなことないです」
予想通りの反応を受け、私は口角を上げて頷くと、スッと立ち上がって冷蔵庫へと向かった
冷蔵庫の目の前で立ち止まり、上半身だけ振り返る
「甘いのは好き?」
「......はい」
がぱっと開けたのは、冷凍食材のジップロックが敷き詰められた冷凍庫
そこからアイスを取り出すと駆け足でソファに向かう
左右をぱきっと割る、チョココーヒー味の例のアイスだ